以下の設問について、もっとも適切な答えを1つ選びなさい
IBHRE対策問題
問)典型的なクロストークに有効ではないパラメータまたは特徴は次のうちどれか答えよ。
a)心房出力の減少
b)心室ブランキングの延長
c)セーフティーペーシング
d)心室感度を鈍くする
IBHRE対策問題 解答
クロストークとは何かを覚えましょう。
①心房イベントを心室リードで誤認識。
②心房ペーシングスパイクや心房ペーシング後の電位を誤って検出。
③クロストークが発生するとC-AVB患者において心停止をきたす可能性がある。
上記が主なクロストークの特徴です。
では解答欄を見ていきましょう。a)心房の出力に関しては高出力にするほどペーシングスパイクやペーシング後の電位を誤認識する可能性が生じます。そのため心房出力の減少は正しくなります。
b)に関してはそのブランキング内に入ってきた電位は無視し誤認識を防ぎます。しかし不用意な延長は危険も伴うことは理解しておきましょう。(詳細は割愛)
c)こちらが今回の答えとなります。セーフティーペーシングとはクロストークが発生した際、心停止を起こさないように用意されたもので、通常のAVDよりも短い間隔で心室ペーシングを行います。通常より短いAVDでペーシングされている際はクロストークを疑いましょう。
ですのでクロストークを起こさないための設定や予防策ではない!!クロストークが起こった時の心停止を予防するものです。
d)こちらは心室感度をより鋭くすることで心房ペーシング、もしくはペーシング後の電位を検出しやすくします。そのため感度を鈍くすることは予防策となります。
クロストーク発生の危険因子は高い心房出力、高い心室感度、ユニポーラ設定などがあげられます。
外来等でクロストークが疑われる場合には必ずチェックしてみましょう。
チェック方法
①lowerを上げ心房ペーシング依存とする
②心房出力を5~10Vの固定設定とする
③心室感度を可能な限り鋭くする
上記より設定されたAVDより早い段階でペーシング(セーフティーペーシング)されるとクロストーク(有)と考えましょう。
メーカーによって多少セーフティーペーシングは異なるが110ms前後で行われることが多いです。
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