以下の設問について、もっとも適切な答えを1つ選びなさい
IBHRE対策問題
問)完全房室ブロック患者に対して以下の設定がされている。各問に対して適切な回答を選択してください。
モード:DDD 下限レート:60ppm 上限レート120ppm
ペースAVD:180ms センスAVD150ms PVARP:250ms PVAB:100ms
問1)このペースメーカのウェンケバッハ・ウィンドウの長さは次のうちどれか。
a) 50ms
b) 100ms
c) 150ms
d) 200ms
問2)このペースメーカは次のうちどのレートで2:1ブロックに達するか。
a) 120ppm
b) 140ppm
c) 150ppm
d) 160ppm
IBHRE対策問題 解答
問1)ウェンケバッハを算出する問題です。こちらは基礎的な問題ですがmsとppm変換を間違わず確実に正解していきましょう。
まずウェンケバッハは上限トラッキングレートに規定されます。今回の上限レートは120ppmです。こちらをmsに変換していきます。60000÷120=500ms
500msよりウェンケバッハ作動を起こします。しかし今回はウェンケバッハ・ウィンドウですので2:1ブロックまで計算しなくてはいけません。
2:1ブロックはTARPによって規定されます。TARP=AVD+PVARP で算出できます。
TARP=150ms+250ms=400ms で2:1作動する。
上記よりウェンケバッハは500msから400msで動作しそのウィンドウは100msとなり b)が正解となります。
※よく不慣れな人はどちらのAVDを使えばいいのか悩むことがあります。しかし上記の作動は心房にセンシングして行われる動作です。必ずセンスAVDを使用してください。
問2) 2:1ブロックに関する問題です。上記で400msで動作することは説明済みです。こちらをPPMに換算したら答えが出ます。60000÷400=150ppm
計算より c)が正解となります。
まとめ
①TARP(全心房不応期)は2:1ブロックの始まるレートを決定する。
②ウェンケバッハ作動は上限レートで決定する。
③ウェンケバッハ上限レート応答は 上限レート>TARPの場合のみでみられる。
④上限レート=TARPではウェンケバッハ作動は見られず2:1作動を起こす。
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